知床らうす国民健康保険診療所(北海道)は2015年から毎年、協定を結んでいる松江市立病院(島根県)より看護師の派遣を受け入れています。
今年は、松江市立病院での人繰りが難しく、看護師同士で交流があった当院から初めて、看護師を派遣することとなりました。
派遣期間は6/1~8/31・9/1~11/30。
「へき地医療を学び、看護実践能力を高める」「院外人事交流の促進」を目的として、各3か月 1名ずつ ER総合診療センターの看護師を派遣しています。
私は、6月~3か月間、北海道の羅臼町で診療所研修を行いました。
知床半島にある羅臼町は、人口約5000人の自然豊かな町です。町を歩けば、鹿やキツネに出会い、空にはカモメが飛び交い、晴れた日には海の向こうに国後島が見えます。さらに、大自然を感じさせたのは、身近にクマがいる事です。クマの出没情報を頻繁に耳にすることもあり、実際に野生のクマの親子に遭遇した時は、とてもビックリしました。
そんな羅臼町には病院がなく、唯一、総合的に診療を行う医療機関が「知床らうす国民健康保険診療所」です。救急車で運ばれてくる患者さんや、定期的に受診して薬をもらいに来る患者さん、検診や予防接種など老若男女問わず様々な患者さんが診療所を訪れます。
しかし、当埼玉石心会病院のような大きな病院ではないため、限られた設備の中で検査や治療を行わなければなりません。時には、2時間半かけて他の病院へ患者さんを搬送する必要があることもあります。
このような環境の中、町民の健康を守る診療所の役割の大きさや地域との連携の大切さを学びました。また、多くの病院が身近にあるという安心感、設備の充実した恵まれた環境で働くことができるありがたさを改めて実感しました。羅臼町での経験やこの想いを糧に、今後も看護師として頑張っていきたいです。
看護師:寺澤