「舟を編む」三浦しをん 光文社 2011
2012年本屋大賞を受賞した1冊です
全国の書店員さんが一番売りたい本として選ぶ本屋大賞
「舟を編む」は、題名からは内容が想像できなませんでした
読み進んでいくと、その意味が理解できます
主人公の馬締光也(まじめみつや)は玄武書房の営業部から
辞書編集部へ異動となり、辞書作りに情熱をかけていきます
様々な人たちとの出会いと別れ
一つのモノづくりにかかわる多くのプロフェッショナル達
消えては生まれてくる言葉の数々
あふれ出る言葉の波を大海原にたとえ、辞書編集部の面々は
その海へと挑んでいきます
P56
言葉は知っていても、実際に・・陥らなければ、その苦しみも悩みも
十全に自分のものとはなりません
自分の言葉になっていない言葉を、正しく解釈はできない
辞書作りに取り組む者にとって大切なのは、
実践と思考の飽くなき繰り返しです
ここのところがとても印象に残りました
看護の言葉を知っていて、看護を実践しているものの
看護を自分の言葉で表出できているだろうか
正しく解釈できていなければ、自分の言葉にできません
自分の気持ちも日々の実践も見える形にする、言葉に残す
言葉にするためには、自分の言葉で解釈する
看護こそ、実践と思考の飽くなき繰り返しというところでしょう
簡単ではないけれど、少しづつでも、進めていきたいと思います
看護部長 粕谷文子